雛祭りの着物

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カナエの初節句に合わせ、着物を縫ってみました。
縫い方は大人の浴衣とほぼ同じ。
ただし、背縫いはありません(布幅全体を後ろ身頃に使う)。

今回は、和服地(幅35センチくらい)ではなく、和風柄の洋服地(幅110センチ)を使いました。
裁断してから、「和服地だったら耳になる部分」をアイロンで5ミリほど折り返してから縫い始めます。

左写真は袖丸みを付けているところ。丸み寸法は10センチとしました。大人と同じ。
背縫いがないのは、縫う部分が少なくて良いのですが、
大学生の時、和裁の授業で、
「小さな子供の着物で、背縫いがない場合は、背中から病魔が入るのを避けるため、背縫いの位置に縫い取りだけしておく。これを『背守』という」と習ったのを、強烈に覚えていました。
(ちなみにこの授業では、「袖付けを済ませずに年を越すのは縁起悪い」というのも聞き、今でも私は、袖付けは徹夜してでも、年内に済ませています)
でも、どういうふうに縫い取りすればよいのかは、本を数冊調べたけどよくわからなかったので、背中心の位置に糸二本どりで、二目落としで7〜8センチほど縫い取りしました。ほとんど目立ちません。
襟付けをします。
小さいけれど、三つ襟芯・共襟・肩当てもちゃんと付けます。
居敷当ては付けません。
これは子供の着物ならでは。
腰で結ぶための紐を付けます。
ひもには、写真のように飾り刺繍のようなことをします。
本当は薄くて細いひもを付けるのですが(共布で作ったり)
赤ちゃん時代は、このひもを帯替わりに使うので、
私はわざと張りのある素材を選び、幅広に作りました。
来年以降は多分、細いひもに付け替えると思います。
完成。
今は「お引きずり」状態で着せますが、歩けるようになったら、
肩と腰に「揚げ」をして、2〜3歳まで着せられると思います。
今は、上の写真で延べたように、張りのある腰ひもをしめ、
飾り帯ふうに使います。張りのある素材なので、ひと結びすればリボンのように形が整います。まだ、仰向けに寝るか、支えて座る程度なので、リボンも身体の前で結びます。
来年以降は、細い腰ひもに付け替え、その上から着物用の帯を締められるようになるでしょう。