乳幼児の衣服について

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教材室

ここでは、授業展開案だけを書いています。まだ実践したことはない授業案です。

この授業のテーマ

(1)新生児の衣服(カバーオール)の構造を見て、
   なぜそうなっているか、新生児の身体の特徴から気づく。
(2)新生児の「パンツ」とも言えるおむつについて、
   紙おむつと布おむつの特徴を知る。
(3)活発に活動するようになる、幼児に適した衣服の条件を知る。

導入

新生児人形を用意し、人形が着ている衣服を脱がせて観察させ、特徴に気づかせる。

   ・全部前あき
   ・股下はスナップで開けられるようになっている
   ・肌着の縫い目は外側にある 
   ・伸びる素材でできている 

どうしてそういう構造になっているのか、新生児人形を抱いたり動かしたりして、
新生児の身体の特徴と関連づけて考えさせる。
私の家にある、「新生児用 後ろあきのカバーオール(一度も着せなかった・・・)」も
着せてみて、前あきの場合との使い勝手を比較させる。

   ・全部前あきになっているのは、新生児は寝返りもお座りもできず、基本的に寝ているばかりだから。
    前あきの服ならば、新しい服を広げて置き、その上に赤ちゃんを乗せれば着替えさせやすい。
    なお、首が据わっていない新生児に「上からかぶる」服は、少々着せにくい。
   ・股下がスナップで開けられるのは、おむつ交換をしやすいように。
   ・肌着の縫い目が外側になるのは、デリケートな肌に負担をかけないように。
   ・伸びない素材のベビー服もあるけれど、伸びる素材の方が着替えさせやすい。

展開1   おむつの構造と機能を比べてみよう

紙おむつ・はさみ・水・はかり・布おむつ・おむつカバーを用意する。
生徒は4〜6人1組になる。


紙おむつの構造を観察する。
   ・漏れない工夫
   ・濡れたときにサインが出る
   ・サイズ調整
   ・実は100%紙で出来ているわけではない
   ・切り開くと、中はこんな感じ・・・
   ・新生児人形に当ててみて、こんなふうになるのか〜〜

布おむつの構造を観察する
   ・新生児人形に当ててみて、こんなふうになるのか〜〜
   ・後かたづけはこんな感じ 

どのくらいオシッコを吸収するのか、実験する。
   ・まずは布おむつ。何ml(何g)吸収したら漏れるか、実験する。

おむつ自体は20g弱。
新生児が1回に飲むミルクは、80〜120ml。
100mlの水は、難なく吸収。
おむつの表面も、サラリとしています。
では、さらに120ml。
吸収はしていますが、おむつの表面を押してみると、
ジワリと感じます。

赤ちゃんはちょっと、不快ではないでしょうか。
結局、350ml近く吸収は出来ました。
これ以上の水を入れると、サイドにあふれました。

赤ちゃんが1回に出すオシッコの量は、そのときによって違いますが、
赤ちゃんは1晩に2〜3回の授乳をねだります。
そのとき、同時にオシッコをしているのに、
おむつを替えないでいたとしたら・・・
この程度のオシッコを吸収しているのかもしれません・・・
左は350ml近く吸収したおむつ。
右は新しいおむつ。

パンパンにふくらんでいるのがわかります。

おむつは、子どもの成長に合わせてLLサイズまであり、
もちろん、成長につれて、1回のオシッコの量も増えていきます。

これだけふくらんだおむつをつけるのは、赤ちゃんはかなり不快でしょうし、
歩ける赤ちゃんなら、おむつが重くて下がっていくってこともあります。
吸収の済んだおむつを半分に切ってみましょう。
中に入っている吸収体が、ブヨブヨにふくらんでいることがわかります。

おむつは早く替えてあげましょう。

紙おむつは布おむつと比べ、オシッコの吸収量が多く、足繰りやウエストにギャザーが入っているので漏れにくい。
汚れたおむつの片づけも簡単。
布おむつは紙おむつと比べ、吸収量は少なく、漏れやすいし、洗濯が負担になると思う人もいる。
肌触りは、布おむつの方が柔らかい。

環境負荷に関しては、紙おむつは焼却エネルギーがかかり、布おむつは洗濯の排水がある。
しかし布おむつの方が負荷が軽いといわれている。

誤解してはいけないこと・・・・
  ・おむつカブレの原因は、お尻に水分が残っているのにおむつでフタをしてしまうこと。または、ウンチ汚れが落とし切れていないこと。
   カブレは布でも紙でも起こりうるので、こまめにおむつを替え、ウンチのあとはお尻を洗うのが一番の対策になる。
  ・おむつが外れる時期は、布でも紙でも差がない。以前は、布おむつの方が「濡れた感じがわかる」ので、早く外れるといわれていたが、
   実際には、子どもが自分でトイレまで移動できて、「オシッコ出る」と伝えられ、自分でパンツを脱げるようになると、
   おむつが外れる日が近い。
  ・紙か布か、自分が使いやすく、赤ちゃんの肌に合うものを選べば、それでよい。  



なお・・・
紙おむつの中に入っている吸収体(高分子吸収体とか高分子ポリマーと呼ばれているもの)は、
乾いている状態では綿のように見えますが、水を吸うとブヨブヨにふくらみ、よく見るとつぶつぶになっているのがわかります。
この実験では、新生児用おむつのサイズで350mlほどの水が、いちおう吸収できた結果が出ましたが、
高分子吸収体はカリウムやナトリウム(尿の中に少し含まれる)に出会うと吸収力が落ちる性質があるそうなので、
実際におむつを使用すると、もっと少量しか吸収できないかもしれません。

いずれにせよ、おむつは早く替えてあげましょう。

展開2   幼児にはどんな衣服が適するのか考えよう

幼児の1日の生活スケジュールを円グラフなどで示し、
どの時点でどんな汚れが付くか、どんな動きをするか、どんな服がよいかを考える。

  ・食事やおやつの時は、きっと食べこぼす。本人が「汚れちゃった、着替えなきゃ」と思えるように汚れが目立つ服がよいかも。
  ・小さい子なら、エプロンなどを付けさせてから食事にするのがいいかも。
  ・眠るときは、子どもは体温が高いので寝汗をかきやすそう。パジャマは薄手がいいのかも。
  ・遊具を使って遊ぶことが増えてきたら、引っかけないように、ひもが付いている服は危ないかも。
  ・自分で着替えやすい服がいいかも。あまりスリムでフィットした服は、脱ぎ着しにくい。

乳幼児の衣服の条件をまとめる。
乳幼児はすぐ暑くなるということにも注目させる。