乳幼児の食生活について

yousight

教材室

授業の展開案だけを書きました。まだ、この通りの授業を実際にやったことはありません。



この授業のテーマ

(1)乳幼児の食生活の大事な点を知る。
(2)母乳とミルクの特徴を知る。
(3)離乳食の目的と進め方、その後の食事の注意点を知る。

導入

子どもの時に好きだった料理、食品、味付けを挙げさせる。
   それらは、今現在は好きかどうかも聞く。
   子どもの時の嗜好は、成長しても続いていくことがあるようだ。

乳幼児の食生活で大事な点
   ・将来、いろいろな料理や食べ物を、おいしく楽しく、周囲の人が不快にならないマナーで食べられ、
    好き嫌いが少なく、健康な体に成長(または維持)できる人になるよう、育てていく。

   ・ということは、成長のためにバランス良い栄養を考えたり、いろいろな食べ物や料理を経験させたり、
    行儀よく食べられるためのしつけをしていくのは、周囲の大人の責任である。

展開1    ミルクと母乳、飲ませる手間を比べてみよう

新生児人形、ミルク、哺乳瓶、保温ポット、湯冷ましの入ったポット、流し台、洗剤、消毒薬の入った容器
を用意する。

クラスを2つに分ける。
  チーム1 : ミルクをあげるチーム
  チーム2 : 母乳をあげるチーム


それぞれに、
「新生児人形を抱っこする役」
「飲ませてもらうまで、泣き声を出す役」
「ミルクや母乳を用意する役」
「用意の時間を計る役」
を決める。


以下のような実験を行う。

(1)時間を計る役が、スタートの合図をする。
(2)泣き声を出す役が、泣き声を出す。
(3)ミルクまたは母乳を用意して、飲ませるまでの時間を計る。
(4)さらにミルクの場合は、哺乳瓶を洗って消毒薬の容器に入れるまでの時間も計る。
(5)両方のタイムを比較し、それぞれのチームの「ミルクまたは母乳を用意する役」の生徒や、
   チームメイト、見ていた生徒に感想を挙げさせる。

  ・準備をしていて、どんな点が簡単だったり面倒だったか。
  ・赤ちゃんの泣き声が響く中で準備をするのは、どんな気持ちだったか。
  ・準備をする場面が、昼と夜とでどう違うか。家の中と外出先ではどう違うか。
  ・家族に手伝って欲しいことは。 

・・・・チームごとに平行してこの実験をしてもいいし、
片方のチームだけが実験して、もう片方がその様子を見ているのでも良い。

手間の比較について、挙がった意見は黒板にまとめておく。

展開2  ミルクと母乳について、もう少し比較してみよう

(1)粉ミルクのパッケージに記載してある、ミルク100ml分の栄養成分を調べる。
   溶かした状態で使用するので、100mlのミルクを作るのに、粉を何g使うかに注意して計算すること。
(2)教室にインターネット回線がきていれば接続して、食品成分データベース にて、
  人乳の栄養成分を調べる。
(3)栄養成分に、大きな違いはないことを確認する。

・・・・・ここで豆知識
   哺乳類はたいてい、母乳を飲んで育つ。成分の中ではもちろん水分が一番多いのだが・・・

   人乳は、炭水化物(糖)が多め。これは、人の赤ちゃんが脳をどんどん育てたいから。糖は脳の栄養になる。
   牛乳は、タンパク質が多め。これは、牛の赤ちゃんが身体をどんどん大きくしたいから。
   海獣乳は、脂肪が多め。これは、冷たい海の中でも体温を維持したいから。
 
   それぞれの動物が、自分たちに適した母乳を出している。


(4)以下の条件について、ミルクと母乳では
    「必要な準備」「便利な点」「不便な点」がどう違うか考え、意見を挙げる。

  ・お出かけの時
  ・お母さんがひとりでお出かけしたいとき
  ・お母さんの体調が悪いとき
  ・家族の関わりかた
  ・費用
  
(5)ミルクと母乳の違いをまとめる。
   子どもの育ちかたには差がないこと(だからどちらでもいい)、
   母乳は体質によって出にくい場合もあること、
   混合栄養という方法をとる人も多く、どちらが優れているかは言い切れないこと、
   ・・・・・・・・などを確認する。


・・・・・・ここで豆知識
    世界には、母乳を飲ませたいと思っても栄養状態が悪くて十分でなかったり、母乳で感染する病気を持っていてあげられなかったり、
    だからといってミルクを飲ませようとしても、ミルクが流通していなかったり貧困で買えなかったり、清潔な水が手に入らない・・・ という地域もある。

 

展開3  離乳食・幼児食について

    乳幼児の食事は、その後の食生活に強い影響があるという点を押さえながら授業を進める。
    この項の導入として、「子どもの時に好きだったメニュー」を挙げさせ、
    なぜそれが子どもに人気だったのか、味付けや食材、見た目、食べやすさなどの面から考えさせる。

(1)離乳食の目的
(2)進め方の例    ・・・毎日のことだから、親の料理材料から取り分けるなどの工夫を
(3)おやつの目的
(4)好き嫌いをなくすには

・・・・・時間と設備が許せば、調理実習も行う。