ドラちゃんを授業の導入に!

教材室

yousight


私はドラえもんマニアです。
ひらがなを覚えはじめた時期と、ドラえもんを読み始めた時期が、ほぼ同じ(4歳)です。
コロコロコミックの創刊号も読みました(5さい)。  当時は「コロコロ」のロゴより「ドラえもん」の文字の方が多い表紙デザインでした。
子どもですから、てんとう虫コミックスのセリフは暗記するほど読んでましたねえ・・・・

と言うわけで、私はドラちゃんに関する雑多な知識を得ています。
もしかしたら、家庭科の専門(被服)以外の知識よりも詳しいかも・・・ (それはヤバイ)

ドラえもんには、家庭科の授業導入などに使えるネタがいっぱいあるんですよ!
生徒も興味を持つしね。
家族関係の話なんか、生徒の家庭状況によってはかなり緊張するじゃないですか!?
ドラちゃんを使えばすんなり行けます。

下記のように、ドラちゃんネタを授業(ほぼ1年生向けの授業)でじゃんじゃん使った結果・・・・
生徒は授業にすんなり入れますが、
質問が家庭科関係だけではなく、ドラちゃん関係のもかなり来ます。
それも、廊下ですれ違ったときに、突然聞かれたりして・・・・

なのに、どんな質問にもスルッと答えられる自分が楽しいような、ちょっとイヤなような。

家族関係の授業にドラちゃん!

<あなたにとって、家族って誰ですか?>

   いろんな家族構成があって、どれが「普通」なんて決められないってことに、気付いてもらいたいのです。
   メディアなどでは「両親(それも収入を得てるのは父のみ)と子ども2人(就学年齢)」が、モデルケースとしてよく使われるので、
   高校生は、それが「普通の家族」だと思いがちです。
   一世帯あたりの人数を示した統計(教科書に出てる)にも、
   今や4人家族なんて少数派で、もしかしたら2010年の国勢調査では単身世帯が一番多数派と出るかもしれないのになあ。

   しかし、同居しているのが片親だけだったり(珍しくないです)、親ではなく祖父母と同居していたり(これも良くある)すると、
   自分ちは普通じゃないから・・・・  と、必要以上にとらえてしまい、自分の家庭に肯定感を持てない生徒もときどきいます。
   たった一度の授業で、自分の家庭の見方が変わるとは思えませんが、
   
   「いろんな家庭があるもんだ」  と知ることは、高校生にとって大切ではないでしょうか。

   さて、私は授業の初回にて、「あなたにとって、家族って誰ですか?」と問いかけます。
   私の場合の回答を出して、これを自己紹介に兼ねます。
   同居してなければ家族ではないですか?   ・・・結婚したら実家の人は家族じゃないですか?
   生きていない人は家族ではないですか?   ・・・亡くなった祖父母は家族じゃないですか?
   人間じゃなくては家族じゃないですか?    ・・・私は飼ってたネコが死んでしまったとき、食事もとれないほどでした

   のび太くんにとって、ドラえもんは家族ですよね。
   少なくとも、のび太くんはそう思ってます。
   ドラえもんは、のび太の世話&相談役&遊び相手・・・  実は昼間は、ママの家事手伝いもしてます。
   食事も小遣いも、のび太と同様にもらっています。
   パパは、「うちは4人家族だ」と言い切っています。

   でも、冷静に考えてください。ドラえもんは人間ではない。動物でもない。家電製品(ロボット)ですよ。
   それでも、同居している人にとっては、ドラえもんは大事な家族なのです。

   家族の範囲は、規定が難しいのです。人それぞれの考え方によります。
   だから授業では、「同居していて生計をともにしている」  と規定がはっきりしている「世帯」を基本に扱います。


民法の授業にドラちゃん!

<ドラちゃんが、どうしてのび太の家に住んでいるのか知っていますか?>

  大人になったのび太くんは、起業します。
  5年ほどで、会社を火事にしてしまい(原因は、社屋でのび太が花火をしたこと・・・・)
  ベンチャー企業で5年やれたのは、相当に努力したと思いますが、とにかく会社は倒産しました。
  そのときの借金が大きすぎ、22世紀になっても子孫が返せない。
  そのせいで、セワシくんのお年玉がたった50円。
  ご先祖ののび太くんがもっとしっかりして(借金を作らずに)もらうために、ドラえもんを派遣しました。

  はい。遺産相続には借金のような、マイナスもあるのです。


<スネオ君の意外な家族構成>

  スネオ君にはスネツグくんという弟がいますよ。  しばしば現れる「スネキチ兄さん」は従兄弟です。
  ニューヨークに住んでいる叔父夫婦に子どもが出来ず、養子としてアメリカに渡ったのがスネツグくん。
  ・・・・私は1人の母親として、お家の事情があるにしても、子どもの1人をそんな遠くに差し出すなんて
     (もし私の身に何かあれば、そういうこともあり得ますが、健在なのに・・・) とても考えられません。
     スネオ君とご両親は、裕福に楽しく暮らしているようで、実はいろいろ苦しい思いもあるんでしょうかね・・・・

  さて、このスネツグくん。スネオ君と世帯はいっしょでしょうか?   別ですよね。
  ここで養子についての法律を解説。
   
  さらに結婚・離婚・夫婦関係・親子関係・仕事関係などの法律を学習していきます。

家事分担の授業にドラちゃん!

<家事をやる目的って・・・>

  生徒1人ずつを指名し、どんな家事があるか答えてもらいます。
  あまり家事に関心がないと、すぐに詰まってしまいます。
  これだけの家事を、あなたの家では誰がやっているのでしょうか?

  ドラえもんに「家庭科エプロン」という、秘密道具が出てくる話があります。
  (用意できればその一部を拡大コピーとかスクリーン投影したい)
  のび太くんは「家事はしずかちゃんにやってもらうから、自分が出来なくてもいいもん」といいますが、
  出来杉くんは「これからは女性も社会に出るし、家事は女性だけというわけにはいかないと思う」といいます。
  それを聞いたしずかちゃんは 「出来杉さんと結婚する人は幸せね」と好感を持ち、のび太くんはショックを受ける。

  この話をとっかかりに、家事の範囲の広さや家事分担の方法、アイディアなどを学習していきます。
  結論としては、家事は家庭を快適に維持するために必要なことで、それにまったく協力しないでいるのは、
  家庭を人任せにしているのと同じなんだよ・・・  ってことです。

住居の授業にドラちゃん!

<日本の住宅やライフスタイルの特徴>

  日本の住宅やライフスタイルの特徴にはいろいろあるんですが、
  ルーツを絡めて私は3つに整理して説明しています。
  

  (1)1つの部屋をいろんな目的に使う。  (ルーツは平安時代の寝殿造り)
  (2)畳を敷き、ふすまで仕切る。・・・だから間取りもフレシキブル  (ルーツは室町時代の書院造り)
  (3)和洋折衷    (ルーツは明治時代以降の西洋建築)

  実際に庶民の生活に洋間とか椅子とテーブル、洋式トイレが当たり前に入ってきたのは昭和40年代以降。
  

  ここで私は、自分で組み立てた「のび太の家 立体紙模型」を見せます。
  (このほかにも住居の授業では、いろいろと紙模型を見せてます。ペーパークラフト、好きだ)

  のび太の家は、いかにも昭和40年代の最先端な間取りと生活スタイルなんです。実は広いし・・・
  洋間があるし、トイレは洋式で、食事はダイニングキッチンでテーブルについてます。
  サザエさんは昭和30年代なので、もう少し違う。
  洋間はないし、食事は和室に座ってちゃぶ台を囲みます。(これだって当時の最先端で、もっと昔になると、1人ずつのお膳ですから)

環境問題の授業にドラちゃん!

<地球に優しいとされる発電方法について>
  
  太陽光発電、風力発電、地熱発電などについて説明した、ドラえもんのアニメビデオがあるのです!
  非売品。マニア向け雑誌の付録に付いてました。

  15分ほどのアニメを見たあと、もう少し解説します。
  今ひとつ普及しないのはなぜか、理由を考えて話し合ったり。