オーボエ部屋

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オーボエとは

木管楽器です。高校1年生の時から吹いています。

クラリネットと見かけの区別が付きにくいですが、楽器の先端に「リード」というものを差し込んで吹きます。クラリネットは、楽器の先端裏側にリードを留めて吹きます。
楽器本体の材料は「黒檀」です。仏壇と同じ、木で出来ています。
そこに、金属のキーやらパイプやら、たくさんくっついています。
構造は複雑です。いろんな部分が連動しているので、一カ所、調子が悪くなったからって、むやみにネジをいじったりすると、今度は別な部分がおかしくなったりもします。
割とデリケートです。寒いところに置いたり、風に当てると、すぐ割れます。

オーボエは、先端にリードを差し込んで使う楽器です。リードに息を吹き入れると振動し、音が出ます。

リードのこと

そのリードですが、オーボエの場合は「ダブルリード」と言います。
2枚の、薄い板(材料は、植物のアシ)を重ね合わせ、金属のパイプに糸で縛り付けて作ります。

左がリード。右は大きさ比較のために付けた計量スプーン(5ml)
リードの長さは7〜8センチくらい、幅は1センチに足りないくらい。
パイプの下半分にはコルクが巻いてあり、この部分を楽器に差し込みます。


ぼけぼけ写真ですが、リードを真上から見たところ。
2枚のリードの隙間は1ミリあるかどうかぐらい。
この隙間に、息を入れなくてはいけません。
もちろん、リードだけで音は出るのですが(ビーとかいう)
とても難しいです。
オーボエを始めたばかりの私は、リードを鳴らすのに何日もかかりました。
息にしっかり圧力をかけないと、この小さな隙間に入っていかないのです。
小学校で習うリコーダーだと、息がどんどん使われて足りなくなるものですが、
オーボエは、息が余って苦しいのです。
相当長い時間吹き続けても、息がなくならない(少しずつしか吐けないから)
でも、体は新しい酸素を欲しがっているのです。
「息は、吐かないと吸えない」当たり前のことですが、オーボエを吹いていると、本当にそれを実感します。
器用な人だと、「循環呼吸」と言って、息を吸いながら吐いたりします。

リードは今、これだけ持ってます。
もっとたくさん持つのが普通らしい。
リードは消耗品なので、使用ローテーションには野球の投手登板ペースより気を遣わなくてはいけません。同じリードの、長期連用は避けます。

調子の良いリードだと思っていたら、雨の日は湿気が多いせいか息が入りにくくなったり、ちょっと酷使したら次からは鳴らなくなったり、リードの機嫌を取るのは大変です。
かと思うと、3年くらい前のリードが結構良かったりして。

リードの調子が良ければ、実力の5割増ぐらいの音色になる・・・ような気がします。
逆に、リードが悪ければ、お話になりません。
私は初心者の頃から先生について、良いリードを調整していただいていたので、とても恵まれていました。
本当に、リードの善し悪しで全然変わってしまうのです、オーボエは。
リードが手に入らないまま練習をしている初心者は、どういう状態が吹きやすくて、どんな音色が美しいのかってこともわからないまま過ごしてしまうのではないでしょうか。

「音色が良くて」「音程が安定していて」「吹いているとき体への負担が軽くて」「反応がよい」
・・・のが良いリードだと思うのですが、そんなリードは数年に一度しか巡り会えません。

リードを調整するための道具。

左から、大きさを比較するための計量スプーン小さじ(5ml)
リード
プラーク
リードナイフ

こんな風に、2枚のリードの隙間にプラークを挟み込んで、リードナイフで削って調整します。
削って薄くすると、リードは軽く(息が入りやすく)なります。
ただし、薄くしすぎると、音色が軽薄になります。
先端は、透けて見えるぐらい薄く削ってあるので、むやみに削ると欠けてしまったりします。
プラークを挟むときに引っかけて割ってしまったこともある。

オーボエの仕事

オーケストラの中では、オーボエはど真ん中の席に座っています。
私は高いところが苦手なので、実は雛壇に座りながら、「ここから落ちたらどうしよう・・・」と怖がっています。
金管楽器なんかもう2段上に座るので、とりあえずオーボエで良かった。
今回の「入間の第九」は、フロアに座ることになったので安心です。

ステージにオーケストラが入ってくると、コンサートマスター(バイオリンの一番前にいる人)が立って、
オーボエが「ラ」の音を出します。
コンサートマスターとオーボエの「ラ」の音程が合ったら、他のみんなも「ラ」を出して合わせます。
これが、ステージチューニングです。
音楽の本には、「オーボエは音程が取りにくい楽器だからチューニングの基準になっている」と書いてあります。
でも、何でオーボエがやっているのかは、よくわかりません。
ここだけの話ですが、チューニングの時は、譜面台の裏でメーター(音程を判断する機械)を使っていますし、
ステージに入る前に、楽屋で一人ずつチューニングをしています。
冷静に考えれば、別に私がいなくてもいいのかも・・・・
(私だけかも知れないけど)「ラ」の音が無事に合ったからと言っても、実は「ミ」や「ド」の音程はずれてたり・・・ということもあります。
そして、本番前に「ラ」の音を出して回っているので、チューニングが終わる頃には、私は結構疲れてたりもする・・・・・

初心者のオーボエは、まるで携帯の着メロみたいな音色ですが、
上手になると、とてもいい音になります。
吹くだけで、あたりを払い、曲の色を塗り替えてしまうような。
だからか、オーケストラ曲にはオーボエのソロがたくさんあります。
ソロは絶対はずしてはいけない。
ソロで失敗すると、オケのみんなどころか、お客様まで緊張してしまうみたいです。

中学生の私は

運動部にいました。
中学校にはありがちですが、先輩後輩関係が理不尽なぐらい厳しくて、本当は嫌だった。運動そのものは良いんですけど。
そのとき、音楽室で練習している吹奏楽部が楽しそうで、高校生になったら吹奏楽部に入ろうと思いました。
せっかくだから高校野球の応援なんかしたいわっと思い、共学の高校にしました。
応援ならトランペットだよねっと思い、トランペットを希望しました。
ところが、トランペットの希望者がやたら多くて、だめでした。
そのとき、「オーボエに人がいない、1年生に来てもらいたい」と先輩が言ったのです。

オーボエ。

考えもしなかったけど、小学校で習ったので楽器は知ってた。
そして、深く考えもせずに手を挙げたのです。
同期の男の子がもう一人いたのですが、彼は初めからオーボエを吹きたくて入ってきていました。
以来、彼と戦い(?)つつ、練習を重ねたのです。
程なく、オーボエは高校生活の最優先事項になりました。(2番目が洋裁)

通っていた所沢高校は、当時、甲子園の埼玉予選を西武球場でやっていた関係で、
入場行進の伴奏を毎年やっていました。
とても楽しみにしていたのですが、・・・・・・・・・オーボエって外で吹いちゃいけない楽器なんですって・・・・・・
もちろん、野球部の応援なんかもってのほか。
これは悲しかった。

でも、希望通りトランペットにしていたら、15年も続かなかったかもしれない。
そのぐらい、オーボエは私に合っていたと思うのです。