映画を見た

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中国や香港で出来た映画が、ここ数年は日本でも見られるようになってきた。
昔からある、カンフー映画だけではなく、「心」を大事にしたような映画もたくさんあって、気に入っている。

上海時代広場(デパート)。
映画「少林サッカー」のオープニング・シーンで使われていました。

上海時代広場から少し歩くと、「上海新天地」と呼ばれる地区に着きます。
東京に無理矢理たとえるならば、
六本木ヒルズと恵比寿ガーデンプレイスを混ぜたような・・・
煉瓦造りの、クラシックだけれどおしゃれな感じの建物が並んでいました。
   クリスマス飾りはまだ続いていました。
イタリアンのレストランやマックカフェ、ニューウエーヴの家具屋さんなどが入っていました。
映画館もありました。パイレーツ・オブ・カリビアンが公開中。
 

私たちが見たのは、「地下鉄」という恋愛映画。
主演がトニー・レオン(梁朝偉)とミリアム・ヨン。
監督がウォン・カーウァイ(王家衛)

ウォン監督!? 新作!?
左のポスターには、「12月23日ロードショー」と中国語で書いてある。
ということは、やっぱり新作じゃないか。

ウォン監督の映画は、7〜8年前に初めて見て以来、気に入って、日本で見られるものはだいぶ見た。
香港で活躍している監督で、ニューウエーヴ映画として人気があるらしい。
初めて見たのは「恋する惑星」(原題:重慶森林)日本でブレイクする前の金城武と、トニーレオンが出ている。
次は「天使の涙」(堕落天使)、そして「ブエノスアイレス」(春光作洩)・・・・

トニーレオンは、ウォン監督の映画によく出てくる俳優さんで、
真面目だけれどちょっと間抜けな感じが好きだ。
上海の地下鉄では、「熊猫手机(パンダ携帯電話)」の広告ポスターに出ているのを、何度も見かけた。

〜〜〜〜〜〜後日・注〜〜〜〜〜〜
帰国後10日たってから、この映画の公式ホームページを見つけました。
全部中国語で書いてあったので、よくわからない部分が多いけれども、
監督さんはウォン氏ではなく、別の人のようでした。
製作プロダクションが、ウォン氏と同じ「ジェット・トーン・プロダクション」でした。
映画ポスターに「王家衛」と書いてあったので、つい反応してしまったのです。
ウォン氏は、この映画のプロデューサーをつとめていました。
〜〜〜〜〜後日注おわり〜〜〜〜〜

チケットは1人60元。およそ900円。日本の半額だけど、これが安いのか高いのかはわからない。
メモ帳に「16:05からの『地下鉄』のチケットを2枚下さい」と、中国語で書いて差し出したら、
カウンターの方は英語の分かる方でした・・・・
「あなたの席はここ」「入場は10分前から」と英語で説明してくれました・・・・助かった。

封切り直後の映画なのに、映画館には6人しかお客さんが入っていませんでした。
カップルが二組(うち一組は私たち)
女性1人、男性1人。
たった6人なのに、男性1人は始終、携帯電話を鳴らしているし、私たちは言葉がわからない。
「ちゃんと」映画を見ているのは、3人しかいないことになる。

映画のポスターには「中文字幕」と書いてあったのだけど、実際に見たら、字幕はまるでありませんでした。
だから全く、セリフはわからなかったけれど、ストーリーはわかりました。

盲目の女性(ミリアム)がトニーと出会う。
ミリアムは点字図書館・兼・リハビリセンターのような所で働いている。
トニーはある日、高熱を出して視力を失う。ミリアムの元で訓練を受けているうちに恋愛関係に・・・
しかしトニーはクリスマスの日、視力を取り戻す。
それをデート中のミリアムに言い出せず、見えないフリをしてデートを続ける。 
ミリアムはそれに気づき、激しく怒る。二人は再会できるのか・・・?

セリフがわからない分、映像の世界に浸ることが出来ました。
ウォン監督の映画は、これまで、どこかしらに必ず銃で撃ち殺すような場面が入っていたのだけど、
今回は全くそんなものはなく、詩情あふれる映像に包まれた温かい映画でした。
主演の二人も、見えない暮らしを本当にていねいに演じていました。
私は昔、盲学校で働いていたので、映画を見ながらそのときのことも思い出していました。
ぜひとも、日本語版で見直したい映画。

最後のタイトル画面に「原作:幾米 漫画」と書いてあったのが気になりました。
漫画が原作?

町中の書店に、「幾米作品」と書かれた本が山積みになっていました。
漫画というより、絵本でした。手の平サイズ。
どの本もほんのりした色使いで、映画の世界は原作に忠実だったのだろうなと思いました。

「地下鉄」の原作本は見あたらなかったのだけど、
私が買ったのは「向左走・向右走」という本。
同じマンションの隣同士に住んでいるのに、それぞれ別々の門から出る習慣があるために気付かず、恋人関係になってもすれ違いばかり起こしている二人の話。

翌日、ガイドさんに聞いてみたら、「地下鉄は有名な漫画です。向左走・向右走も、金城武主演で映画になっている。
幾米はジミーと読み、今、台湾や中国でとても人気がある作家です」とのことでした。

中国語はわからなくとも、漢字と絵のおかげでストーリーはわかる。
「向左走・向右走」は、とてもいいお話でした。
日本語版は出ているのだろうか・・・・?  
というわけで、帰国後すぐに、紀伊国屋インターネットで検索。
あるある。「地下鉄」も出ていた。さっそく、注文。
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