ウエディングドレス

縫製室目次

身頃はシンプルなビスチェスタイルですが、スカートは細かいプリーツを付けることにしました。
というわけで、新居に引っ越し、大きな荷物が入る前にまずは裁断。
このような扇形の型紙を8枚用意。後ろスカートはトレーンを引くので長くしてあります。
すべての型紙に、放射線状の線を入れてあります。


スカートの型紙には、このように放射線状の線を入れてあります。
布と型紙を重ね、この線上を細い糸で縫い合わせておきます。
これが結構時間がかかりました。
何しろ、丈が長いので。


素材のポリエステルは熱可塑性があり、本来プリーツ加工がしやすいのですが、
今回はさらにしっかりプリーツを付けるため、
このような「プリーツ加工液」を使いました。
布全体に吹き付け、アイロンを当てます。



このように、布と型紙を一緒にして、
放射線状の線に合わせ、アイロンで折っていきます。
山・谷・山・谷・・・
単純で、簡単な作業です。小学生でも出来ます。
でも、何百本折ったか分かりません。飽きます。

折り上がるとこんな感じ。
ハリセンが山ほど出来たように見えます。
保存はピンチハンガーに吊して。
スカート部分だけ、巻きロックミシンで縫い合わせて形にしてしまいます。

ここで仮縫い補正をします。
シーチング(安価な木綿布)で形を作って、サイズや形を見ます。
これで、ドレスのシルエットがほぼ決まりますので、最も重要な工程です。

身頃はピッタリしたビスチェ型なので、(肩ひももなし)
胸だけで止まるよう、体にぴったり合わせ、ゆるみがほとんどないように調整します。
それだと肌が出過ぎるので、プリーツをかけたショールを付けます。
スカートは、すでにプリーツ加工を済ませた布で形作りました。
スカートの直しはほとんど入らないので、ボリュームやシルエットを検討するのみ。


身頃の本縫い。
まず、裏布から始めます。裏布を縫い合わせて形にし、縫い目にボーンを入れます。
「ボーン」とは、「骨」という意味です。ピッタリサイズに作っていますので、ボーンを入れることで形がはっきりし、布を支え、ドレスの柱の役割を果たしてくれます。
18世紀には鯨のヒゲや鋼鉄で作られ、重く女性の体を無理に締め付けるボーンでしたが、
ボリュームあるドレスを肩だけで支えるのは余計疲れます。
実は、ボーンを入れ、身頃全体でドレスを支える方が、着ていてラクなのです。

現代のボーンは、ポリエチレン樹脂などで出来ています。
私が使ったのは、テグスのような細い樹脂を横に10本ほど並べてまとめたタイプでした。
これですと、普通のミシンで縫いつけることが出来ます。
縫い目が出ますので、ボーンを表布に直接付けることはしません。
あくまでも裏布にしっかり縫いつけ、表布をふわっとかぶせる感じで仕立てます。

身頃は、表も裏も同じ形です。表にはボーンを入れず、縫い代は割っておきます。
両方縫い上がったら、上端を縫い合わせて表に返し、身頃完成です。



スカートは、プリーツ加工のスカートの他、わずかにギャザーを寄せたスカートを
透け止めに重ねます。
2枚合わせ、ウエストラインを仮止めしておきます。


表身頃に2枚重ねたスカートを取り付けます。
この段階でコンシールファスナーを付けます。

スカートの裏布(滑りをよくするため付ける)を表スカートのウエスト縫い代に中綴じします。
その上に裏身頃を重ね、まつります。
一応完成です。
身頃の胸元に、レースを縫いつけます。
スカートと同じ布で、ショールを作ります。プリーツを全体にかけます。
ショールの先端を重ね、固定します。
仕上げ。開いてしまうところには、目立たない透明スナップを付けて押さえます。式の1週間前に自宅で試着していたら、実家から電話がかかってきました。