マカロンの研究

台所

2010年12月 (1歳3ヶ月と 5歳5ヶ月)

yousight

最近流行のお菓子、マカロン。
アマチュアで作っている人はいっぱいいますが、
難易度の高いお菓子です。

    私が初めて食べたのは、息子を出産し、兄夫婦が病院に差し入れてくれたマカロン。
    なんと名店「ピエール・エルメ」のもの。

    色鮮やか。コロンとして、周囲にフリルのようなものが細く出ているかわいい形。
    表面がサクサク、中はふんわり。おいしいクリームが挟まっています。

    これが、あの、マカロンというものか・・・・・・・・・
    とてもおいしい。


そのときは、マカロンを手作りするなんて考えもしなかったのですが、
よく製菓材料を取り寄せる

お菓子材料の店クオカ - home  

を見ているうちに、自分でも作れるんじゃないか!?
と、うっかり思ってしまいました。



マカロン生地は、材料も作り方もシンプルです。
卵白を固く泡立て、粉砂糖とアーモンド粉をよく練り混ぜ、
絞り出して表面を乾かし、焼き上げます。

砂糖がすごくたくさん入りますので、
砂糖の性質をうまく利用したお菓子なのです。

砂糖は高温では飴状になり、空気を含むと溶けた砂糖は再結晶します。
ですから、泡立て卵白にはたっぷり砂糖を入れます。

生地は、一般には高めの温度で短時間焼き始め、そのあと温度を下げて、乾かすように焼き上げます。

生地表面が固まり、泡立て卵白に含まれる空気が膨張しようとしますが、
天井が固くてふくらみきれない。  だから生地周囲にブクブクと細かな泡が立ちます。
これがマカロン外観に特徴的な、周囲がフリル状になったもの。「ピエ」と呼ばれます。
ピエは、高温で焼き始めて数分で出てきます。
あとは温度を下げて、定着させるわけですね・・・・・

理屈はわかった。

作ってみました。
ピエがちゃんと出ました。
でも、でべそ。

表面はサクサクですが、中はねっちり。
ねっちりした食感はマカロンの特徴なのですが、
ねっちりしすぎだ! 歯に付く!

しかも、表皮のすぐ中には空洞があります。
でべそと空洞は、マカロンを作るとよく起こる失敗で、
かなり慣れてきても、多少なるらしい?

原因は「練り混ぜ(マカロナージュという)の不足」

しかし、練れば練るほど生地が柔らかくなり、
軟らかすぎると絞れなくなり、 形が作れません。
これも困る。

左写真は、マカロナージュ不足だからこそ? 出来た、ハート型。
クリーム(バタークリーム)を挟んでみましたが、
1〜2日置いて馴染ませても、やっぱりねっちり感があります。

私がはじめて食べたマカロン、「ピエール・エルメ」とは似ても似つかない仕上がりに不満を持ちました。
でも、ピエール・エルメはマカロンの中では最高峰らしいのです。

大手コーヒーショップで売られているマカロンを食べてみましたが、
ねっちり感があり、空洞も少しありました。
だから、私が作ったマカロンも「そこそこ、こんなもんだよ」 と満足すべきなのかもしれないんですけど、

ねっちり感を極力減らしたいのです。

つぎは、
練り混ぜ回数を増やし、だいぶ柔らかい生地にしました。
ひとくちで食べられる大きさになるよう、
直径2センチ程度に絞りました。
基本的には、高温で短時間焼いたあと、低温で乾かすように焼くんですが、
もしかして・・・
高温で焼いたとき、生地に含まれる砂糖が飴化してしまい、
ねっちり感の原因になってるんじゃないですか?

試しに、140℃で13分焼いてみました。
乾かすように焼く工程だけなんです。

生地が柔らかいので、一部くっついちゃってますが、

うまく行った・・・  ねっちり感が軽減されています。
じゃあ、140℃で15分焼いてみたら・・・?


悪くないけど、ねっちり感が出てきてます。

どうも、低温で焼いていても、ほんの2分の焼き時間の違いで、
生地が飴化してるみたいなんです。
というわけで私は、

直径2センチ程度の生地を、
140℃で13分焼くことに決定。

色を付ける場合は、粉砂糖に抹茶やイチゴ粉、ココア、紅茶粉などを混ぜておき、
マカロナージュの時に合わせました。
でも、色を強く付けるときは、食紅などを使った方が発色が良いかもね。
ナチュラルなのはいいけど、マカロンの1つの命である「鮮やかさ」には欠けます。
これはイチゴマカロン。

フィリングを挟むとき、うっかり表面をパリッとやっちゃいました。
見ての通り、空洞は出来てしまっています。
空洞の解消は本当に難しいんですね。

でも、ひとくちサイズだから、食べたときに空洞は気になりません。
これは紅茶味。


フィリングですが、
イチゴマカロンにはバターとイチゴジャムを同量合わせたものを。
あとはホワイトチョコ2:生クリーム1:抹茶や紅茶粉やキャラメル粉適宜を混ぜたり、
ミルクチョコ1:生クリーム1を合わせました。
フィリングを挟んで1日置くと、
フィリングの水分を吸って、生地のねっちり感はなくなりました。
表面サクサクで、中はふんわり。
ピエール・エルメには遠く及びませんが、だいぶうまく行ったマカロンとなりました。

できたてマカロン生地にマスカルポーネチーズを挟んだのは、おいしかったのですが、
1日経ったら生地が水分を吸いすぎ(チーズの水分多すぎ)、ふにゃふにゃになったので、
プレゼント用からは外しました。

100円ショップのミニパウンド型に、5種10個のマカロンを詰めてラッピング。

  バニラ×キャラメルチョコ
  イチゴ×イチゴバター
  抹茶×抹茶チョコ
  紅茶×紅茶チョコ
  ココア×チョコガナッシュ

皆さん、おつきあいありがとうございました。