産休入り後(妊娠9ヶ月半以降)

たまご日記トップへ戻る

おかあさんになった日 トップへ進む

妊娠40週

ついに出産予定日になったけれど、まだまだ産まれそうにない。
昨夜、1時間に15分ほどの陣痛が起きて、ついに本番か!! とスタンバイしたのだけれど、
数時間で陣痛は消えてしまった。
米軍横田基地の花火(昨日は独立記念日だったから)を、ベランダから見て、寝た。

夫には、「もしかしたら明日、会社を休んでもらうかも。だから明日の分の仕事の目鼻を付けてきて!!」
と電話してたのみ、その結果、夫は終電まで残業してきてくれたのだけども。
結局陣痛が続かなかったので、今朝は寝不足の中、普通に出勤していきました。

ここ数日、夜中に陣痛が頻発すれば緊張して明け方まで眠れず、
かといって間遠になれば心配でやっぱり眠れず・・・ というわけで、
寝不足でフラフラになってしまっていた。
胎動は、これまでより控えめになったのかもしれないけど、気のせいとも思える。
まるで、子供が「出ようかやめようか考え中」のようだ。
もう出てきてくれ。

今日は出産予定日だけれど、あまり陣痛が起きていない。
「陣痛のないうちに眠っておけ」という子供からの伝言だと思って、
なるべく眠るようにしておく。

やっぱりカリカリした食感が欲しくなり、
今朝はバシバシに焼いたトースト。オヤツはお煎餅。

妊娠39週

出産予定日まであと1週間になった。
子供はどうやら、お腹の中にいた方がラクだと思っているらしくて、とてもよく動く。
とてもじゃないけど、流産しかかった上に、ツワリで栄養不足になった子供とは思えない。
特に、空腹時と食後によく動く。
多分、「母ちゃん腹減ったーー」と暴れ、
食後は「メシだメシだぁ」と暴れているのだろう・・・と思っていた。
しかし夫は冷静に、「空腹時は子宮のスペースが広いから動きやすくて、
食後は胃に物が入って子宮のスペースが狭くて暴れてるんじゃないの?」・・・と。
人生の中で親を蹴っ飛ばして良いのは、胎児の時代だけ。

人間の妊娠期間は40週だが、実に40週が限界だと思う。
もし50週だったら耐えられないかもしれない。
猫はいいなあ、妊娠期間は15週以下だ。(いっぺんに3〜4匹の子育てするのも大変そうだけど)

正直言って、「妊娠している状態」にかなり疲れてきている。
お腹は重く、何をするにもしんどい。この頃は暑くて、すぐに体力を奪われる。
一般に、臨月だとできなくなると言われる「足の爪切り・靴下はき・シャンプー」は問題なくできるが、
寝た状態から起きあがったり、手を伸ばして物を取るのは、非常にやりにくい。

フライドポテトの焦げた部分やピザの端っこ、
かち割り氷、ファストフードのドリンクに入っている細かい氷など、
「カリカリした物」が、やたら食べたくなる。私はネズミか!?

夜は、仰向けで寝ることができない。
横向きで寝ていると、下になっている方の手足がしびれてくる。
横向きでも、私の場合、左を下にすると、子供があばら骨の間に入ってくる感じで痛い。
ずっと右を下にしていると、腰も痛くなる。
眠る前に、「熟睡ポジション」を探すまで時間がかかる。熟睡はできないのだが・・・
明け方まで眠れないことも多い。子供は夜中と明け方もお腹の中で踊る。
もちろん頻尿。そして前駆陣痛らしい物もある。
ツワリも続いている。


先週までは、自分で家事をやっていたのだけども、
夕食を3品くらい作ると、夫がびびるようになってきた。
「そっ、そんなに凝った物を何品も作らなくても・・・」
「栄養バランスをとるには3品くらいないと」
・・・でも、実際にはその3品をしっかり食べて満腹すると、吐いてしまうことがあるのだが。
今週からは、平日、母がうちに泊まり込んで、家事補助をしてくれている。


6月30日。妊婦定期検診の最終回(のはず。7月5日が予定日だから)。
子供は下がり始めているそうだ。良かった、世に出る気になってきたか。
子供の推定体重は3キロ。
受精時はタラコ一粒大だったのに、10ヶ月で3キロに・・・
ともかく、予想されたよりも、普通の体重で収まったので、
自然分娩で行けるんじゃないか? と、帝王切開の予定は立てなかった。
一応、予定日の2日後に、「ノン・ストレス・テスト」の予約を入れた。
胎盤は予定日を過ぎると、劣化していく。(10日くらいだったら問題ないそうだけど)
それで、予定日を過ぎたら、胎児がへばっていないかをチェックする必要があるのだ。
「もしその前に産気づいたら・・・?」と、バカな質問をしてしまった。
ドクターに「それはもちろん、来てください」と笑われてしまった。


待合室にいたら、ちょうど赤ちゃんが新生児室に入る時間になっていた。
私の通っている病院では、いわゆる面会時間帯(3時〜8時)は、母子別室になる。
3時頃になると、赤ちゃんが母親に連れられ、ゾロゾロと新生児室(待合室内)に入るのである。
昨日産まれたばかりの、3.5キロもある赤ちゃんを産んだお母さんは、
ひとりでまっすぐ歩けないぐらい、消耗しているようで、
赤ちゃんを新生児室に入れた後、壁づたいにヨロヨロと歩いて、病室に帰っていった。
私もこんな風になるんだろうか・・・・?

「前駆陣痛」は妊娠9ヶ月の頃に1日2回。先々週で3時間に1回程度。
でもこれは、前駆陣痛と言うほどの物ではなくて、単なる「お腹の張り」といった程度だったようだ。
前駆陣痛は徐々にその間隔が短く、痛みも強くなっていく物なんだそうだ。
この1週間ほどは、1〜2時間に1回程度、1日10〜12回程度になっている。
ドクターは「その程度の間隔で、しかも不規則ならまだまだ」と言っている。

この前駆陣痛が、本物の陣痛に切り替わるのは何日後なんだろうか。
今、痛みの程度は、生理痛ピークと大差ない。1回の前駆陣痛は数秒〜数十秒だし。
便秘のあと下痢をする痛みの方がよっぽどキツい。
この程度なら、ラクラク耐えられそうなんだけれど、
(鼻からスイカを出すと聞いていたが、鼻からイチゴを出す程度で済みそうだ)
もっと痛くなる物なんだろうか。

インターネット上にはいろいろと情報があるもので、
「前駆陣痛を感じてから、10分に一度の陣痛になるまで、何時間かかったか?」
という、2000人調査結果が出ているサイトがあった。
それによると、半数の人は「6時間」と解答。
1/4の人は「2日くらい」、そして5%の人は「1週間以上」と解答。
結局、個人差があって、よくわからない。

7月に入って、なんだか前駆陣痛の間隔が短くなっているようなので、時間を記録してみることにした。
7月1日、八高線ダイヤのようなペース。ただし夜中は頻発。
  1:05  1:20  1:50  2:10  2:30  3:00  3:20  4:00  6:35  7:30
 11:00  12:05  12:20  13:45  15:25  15:40  18:20  19:45  20:05
 21:10  22:10  23:50
7月2日、同様。
  0:10  0:20  0:50  1:30  1:45  5:30  9:20  11:15  13:00  13:10  14:00
  (今14:30頃)
八高線→五日市線→武蔵野線→青梅線、と徐々にペースが縮まり、
中央線ペースになったら入院だ。地下鉄ペースになったら出産か。
今のところ、ペースはまったく不規則で、
夜中に20分おきになり、「近いのか・・・?」と緊張してみると、
そのあと数時間、何もなかったりしている。  

妊娠38週

立ち歩くレッサーパンダ、「風太」がCMに出ていた。
初めてこの「風太」をニュースで見たとき、私はゾッとしてしまった。
数年前、浅草あたりで起きた、「レッサーパンダの帽子をかぶった男による殺人事件」を思い出したからだ。
本物のレッサーパンダのお腹があんなに真っ黒だということ、
喉のあたりに、まるで着ぐるみのファスナーのように、白い毛がひとすじ生えていること、
結構ビックリした。

ちなみに、実家で飼っていた猫の、チョコ(母親猫)も、よく立ち上がった。
猫には、ツメとぎを、「座ってする派」「寝てする派」「立ってする派」がいるのです。
「立ってする派」の猫は、普段もよく立ち上がります。ボクシングごっこもやりますにゃん。

検診で、「ノン・ストレス・テスト」というのを検査した。
先々週に続く2回目。
これは、お腹に2本の電極を巻き付け、40分間に渡って子供の心拍数を計測するもの。
心拍数が正常範囲で元気なのか、
子供が子宮収縮に耐えられるかどうか・・・等を判定するもので、
出産予定日を大きく遅れた場合(子供が弱ってしまうことがある)も、
この検査を行うとのこと。
スピーカーが大きめだったせいもあるだろうが、
子供の心拍音は「トントン」どころか、「どっかんどっかん」という感じで、うるさいほどだった。
データを見に来たドクターもナースも、「あらまあ元気だこと」と・・・
まだまだ産まれそうにないということで、帝王切開にするかどうかの判定も、
来週以降に持ち越されることになった。

週末、NHKで少子化問題に関する討論番組をやっていたので、見ていた。
ちょっと驚いたのが、「次世代法」に関する企業の動き。

この新しい法律で、政府は「男性育児休業取得者を10%にしたい」と考えている。(現在は0.4%)
それで、従業員数301人以上の大きな会社は、
その会社で行っている具体的な少子化対策や計画を、国に出さなくてはならない。
中でも、男性社員のうち1人でも育児休業を取得した実績を上げられれば、
「少子化対策に積極的な会社」として国のお墨付きがもらえ、
会社のPRにもなる。
だから、子供の誕生を控えている男性社員に、会社側が育児休業取得を勧めることがある・・・
まるでその男性社員を「広告塔」に使うみたいだけど。
・・・・・・と、ここまでは私も以前、新聞で読んで知っていた。

番組では、実際にその、男性育児休業を取得させようとしている会社を取材していた。
会社は男性社員に声をかけるけれど、
上司や人事部と集まって、「実際にどのくらいの期間、休業が可能か」というのを話し合ってみたら、
「せいぜい5日」という結論が出ていた。
どの会社もそうではないだろうし、
この番組に出ていた会社も、最終結論がどうなったかはわからないけれど。

確かに、30代ともなれば仕事上の責任や負担も大きいので、
簡単に引き継ぎや替わりを周囲の人に任せられない、という事情はあるだろう。
でも、たったの5日?
法律では1年半まで権利があるというのに、たった5日の休業で、
「男性育児休業の実績あり」と銘打つつもりなんだろうか。
そして国は、その程度の取り組みで、「少子化対策に積極的な会社」と認定するのだろうか。
趣旨が違うのでは、と思った。

だいたい「5日間」なんて、育児休業じゃなくっても、
インフルエンザや骨折、冠婚葬祭などで、誰でも休んでしまう可能性のある期間だろう。
そのぐらいの急場がしのげないことってあるの?
もしそうなら、社員はみんな、
病気ひとつできない、地方の実家で葬式の喪主もできないってことになってしまう。
そんな労働が当たり前の形になっているとしたら、明らかに歪んだ社会だと思う。

それにしても暑い・・・
妊娠してから、妙に汗をかくようになってしまった。
まだ6月だけど、エアコンをつけてしまった。
来週は都議選だけど、ちょうど子供が産まれる頃なので、
不在者投票に行ってきた。(近所なので)
炎天下を5分歩いただけなのに、フラフラになってしまった。

妊娠37週

よく「初めての妊娠と出産」といった本には、
「出産があと2週間くらいに迫ると、こんなことが起きます」なんて書いてある。
まだまだ当てはまらない。

*子供が下がってくるので、胃の圧迫感が消え、食欲が増してくる
    →まだまだ圧迫されている。
      ヒジキや小松菜は吐いてしまうくせに、ジャンクフードは収まるのが不思議だ。
      あと、カップ入りかち割り氷「森永アイスボックス」に、最近ハマっている。

*胎動が少なくなる
    →かなり動いている。
      どうも腹壁に密着しているのか、動きがダイレクトに伝わる。
      本人は膝を動かしているのだろうが、
      私にはお腹の裏からローラーをかけられているようなゴリゴリ感が・・・

*便秘が治ってくる
    →これはよくわからない。もともと大したことないし。

*頻尿になり、夜中しょっちゅう目が覚める
    →こんなの妊娠7ヶ月の頃からだ。

*子供を通すために骨盤の関節が多少緩むので、腰骨や足の付け根が痛む
    →特にそういうことはない。
      ただ、横向きで寝ているため、背骨や腰は痛い。

*多少出血する
    →何もない。

*子供が下がってくるので、お腹のふくらみが下の方に移ってくる
    →全体がふくらんでいるように見えてしょうがない。

予定日の2週間前なのに、出産の兆候がまるで現れない。
子供はまだまだ、お腹の中にいるつもりなのか?   もういいのに・・・


人類がこの先進化して、こんな風になったらラクだと思います。

(1)出産日判定キットが売り出される
   現在売られている妊娠判定キットみたいに、
   尿をかけると、あと何日で産まれるか、数字が浮き出てくる。
   まだかしら〜〜 とか、いきなりきたかっ  とか、あわてないで済む。

(2)臨月になると、お腹の下半分にファスナー開きができる
   産むときはそのファスナーをジーッと引っ張って取り出すだけ。
   これで、陣痛や難産といったものは、なくなる。
   子供に心配な状況が見込まれるときも、とりあえずファスナーを開けて取り出し、
   ある程度治療してから、またお腹に戻すことができる。   

妊娠36週

しっかり臨月に入っているが、ツワリは残っており、毎日吐いている。
子供はどんどん大きくなっている。
家庭科の授業でも、母親学級でも、妊娠中の生活について書かれた本では、
「妊婦はきちんとバランスよく食べることが、子供の成長に大きな影響を与えます」
とされており、またそれが常識だと思ってきた。
ちゃんと食べられないことに焦りがあったし、いつまでも吐いてしまうことに気持ちが暗くなった。
・・・しかし結局のところ、母体がきちんと食べようが食べまいが、
胎児は母体から、自分に必要な栄養を取り込んで、きっちり大きくなっていくものではないだろうか。
私の場合は、食べようが食べまいが、子供の発育に関係なかったと言えそうだ。

ツワリがひどく、また子供が大きくて、おそらく私の身体の成分はかなり持って行かれているのだろうけど、
私は貧血も起こしていない。
たぶん子供も貧血や低体重児ではないだろう。
そうすると、「妊娠中にきちんと栄養をとる」と指導されることや、
ツワリでそれが出来ない妊婦の感じるプレッシャーって、いったい何なんだろうと思う。
もっともそれは、私がもともと太っていて、母体自身に相当の「備蓄食糧」があったからで、
もともと痩せている妊婦だと、厳しいのかもしれないけれど。

今のところは、「産んだらツワリが消えるはず」というのが心の支えになっている。
産んでからこそ、母乳の質を上げるために、バランスよく食べるのは守らなくては。


骨盤のレントゲンはまだ撮影していない。
できるだけギリギリまで子供を胎内に入れておくに越したことはない、
というわけで、帝王切開になるかどうかは、月末まで決めないことになった。

一応、いつ産気づくかわからないので、入院荷物を荷造りした。
荷物は4つにもなってしまったので(大きなカバンを持っていないからだけど)
私がひとりのときに産気づいたら、とりあえず病院に持っていくのを、一番軽いカバンにした。
この中には、母子手帳や保険証、現金、眼鏡、即入院となったときに備えて
一泊分のタオル・下着・パジャマが入っている。
他のカバンに洗面用具や着替え、病院に指定された身のまわり品(お箸や湯飲みも持参しなくてはならない)
を入れ、それは私が入院してから病室に届けてもらうことにした。
お産に必要な物や、子供の当面の肌着・おむつは病院で用意してくれるので、その分は助かる。

電話の横にはタクシー会社・病院・夫や実家の連絡先などを大書きして貼っておいた。
夫向けに「産まれたらやることリスト」を作って渡した。
母には自宅の合い鍵を預けた。
ついでに生協の宅配を今月末から3週間ほどストップする手続きをし、
地元の神社に「初お宮参り」についての問い合わせをし、
「内祝いギフトカタログ」と合わせて「お中元カタログ」を取り寄せた。
真夏だから、お中元カタログに載っている商品に、
「内祝い」のしを付けてもらっても良いかなと思った。
でも、ツワリのせいで、私の目に留まる商品は「ゼリー・シャーベット・水ようかん・果物」ばっかり。
送りたい商品というより、今食べられそうな商品だ。


予定帝王切開ならスケジュールがハッキリするので大丈夫なんだろうけれど、
自然分娩の可能性もまだまだ残っている。
それに、帝王切開の予定を立てたのに、それ以前に産気づいたら?
・・・実は、「産気づく」のがどういう状態か、よくわかっていない。
もちろん、「出血・10分おきの陣痛・破水」という三大ポイントは知っている。
病院からも、「そういうことが起きたら電話して、入院してください」と言われている。

でもそれが実際に起きたとき、「あ、お産が始まる」なんてわかるんだろうか。
破水したのに、「ええっ、ついに尿洩れ?」と勘違いしないだろうか。
出血したのに、「痔?」と思いこんだり、
陣痛は本当にこれが陣痛だとわかるものなんだろうか。
今は、3時間に1回くらい、子宮の下の方に「差し込みのような鋭い痛み」が数分走り、すぐ消える状態。
病院でそう話したら、それは「妊娠陣痛」という、いわば陣痛のリハーサルであり、
3時間に1回くらいならまだまだ産まれない・・・とのことだった。
これが10分おきになったら入院ということか・・・?

なんて母に話したら、「やっぱり、ひとりのときに産気づくのが一番心配だ」と言われた。
もし一気にお産が進んだら、あちこち電話したり、荷物を持ってきたり、家の戸締まりだってできるかどうか・・・
と、母は心配している。
母が出産したときは、実家に帰ったり(人手のある新潟の商家)、
実家から実母に出てきてもらって、数週間泊まり込んでもらったりしたそうな。
9ヶ月なのに仕事したり、
臨月なのに日中1人になり、しかも1人で町内を出歩いているのは信じられない・・・らしい。
やっぱり、予定日近くなったら、母に泊まり込んでもらった方がいいのかなあ。

妊娠35週

臨月目前、身体の状態は笑えるほど教科書通り。
お腹はカエルのようだ。妊娠線は幸いまだ出ていない。
子供はアンダーバストあたりからヘソ下10センチまで、めいっぱいいるらしい。
妊娠36週が、子供の位置が最大限に上がるということなので、まだ先がある?

妊婦とただの太った人の大きな違いは、
ウエストサイズは大差ないのだけれど、そのお腹のふくらみが固いか柔らかいかにある。
ただの太った人なら、身体を曲げることはまあ簡単だし、
横になればちゃんと肉は横に流れてくれる。
でも妊婦の場合、お腹のふくらみにはしっかり骨が入っているので、
身体を曲げるのは結構難しく、横になっても形は崩れない。
というか、仰向けだと気持ち悪くなるし、横向きに寝ていても動悸が速くなる。

子供の胎動はまだまだ続いている。
一頃のように、一発キックを入れるようなことはなくなってきたが、
子宮ギリギリの大きさになっても、手足をもぞもぞといつまでも動かしている。
子供と私の皮膚の距離がほとんどなくなったので、動きがダイレクトに伝わってきて、結構痛い。
そしてお約束の頻尿。やや便秘気味。オリゴシロップとプルーン一粒で簡単に解決するので、
妊婦の割には大したことないのだろうけど、出が悪いと、痔発症の恐怖感に襲われる。
ツワリがまだ続いて、週2〜3回は吐いてしまうのが、教科書とちょっと違う。

夫が「くまのプーさん」の縫いぐるみを買ってきた。
500円だった。
縫いぐるみとベビーベッドで、一気に「子供のいる家庭」っぽくなる。
おむつを付ける練習と、抱っこひもに入れる練習をする。


今週の検診はかなりドキッとする内容だった。
子供の体重は、2600グラムを超えている。
私自身は、2600グラムで産まれている。予定日の前日だったそうだ。(小さめの赤ん坊だった)
妊娠35週で2600グラム超の、私の子供は、予定日には軽く3キロを超えるだろう。
大きいから早く下がってきて、早く産まれるかというと、そうとは限らないとのこと。
また、体重自体は十分でも、予定日よりあまり早く産まれてしまうと、
子供は肺呼吸の機能や、血糖値コントロールの機能が今ひとつのはずなので、
(そのほかの臓器はすでに完成している)やはりなるべく予定日までお腹に入っていて欲しい。

夫の子だから、夫に似て大きめに産まれるのは予想通り。
ま・いっか〜、と思っていたら、
「あなたは身長が150センチしかないので、骨盤が小さいかもしれない」との指摘が。
ドクターには150センチと言い切っていたが、実は148センチしかないのです。
でも私は、安産型じゃないの?
それって肉付きが良いだけだったの?

身長と骨盤サイズは、一般に相関関係があって、身長の低い人は骨盤も小さめのことが多いのだそうです。
確かに学生のとき、被服構成学の実験で大勢のデータを取ったことがある。
身長とヒップサイズの相関関係は実際、ある程度あった。
服作りのための実験だから、あくまで肉付きを含めたヒップサイズで、骨盤サイズまではわからないけど。
(一番大きいのはスリーサイズの相関関係。
巨乳の人は一般にウエストもヒップも太い、腕も太い、そんな相関関係が出ましたよ)

子供が大きめなので、もしかしたら骨盤を通らないかもしれない・・・
次回検診にて、骨盤サイズと子供サイズをレントゲンでチェックして、
その結果によっては、帝王切開での出産の可能性もある・・・・
自然分娩は、ある程度身長が高い人の方が有利なのかなあ。

帝王切開をすると、あとの回復に時間がかかるとか、二人目妊娠のときも大変だとか、
ラクして産んだと誤解されて精神的に辛いとか、いろいろ聞きます。
なるべくなら自然分娩がいいよう〜、と思うけれど、
ムリヤリ自然分娩しようとして、まる2日もかかってまだ産まれなくて、親子ともに力尽きる・・・
なんて話も聞くので、
レントゲンの結果が出たら、とにかく安全第一をとるために覚悟しなくては・・・

そして、超音波を診ていたドクターが急に黙り込んだ。
なんだろう?
「子供の、皮膚から筋肉までの距離が、普通の場合よりも広い」という。
それってどういうこと?
「単に、皮下脂肪がよく付いた、ぽっちゃりタイプの子なのかもしれないけれど、むくんでいるのかもしれない」

むくんでいるって・・・羊水に浸かっているからむくんでいるとか、そういうのでなければ、
まさか、この子は産まれながらに腎臓に問題があるということですか?
「もしもそうだったら、出産後すぐに処置する準備も必要になる。
明日、大学病院の先生が外来に来るから、
もう一度超音波を見てもらってください。
超音波画像は見方が微妙だから、複数の医師が診て判定した方が良いと思う」
えええーーーーー

腎臓に問題があるというのはまったく考えていなかった。
私にも夫にも、腎臓に問題がある身内はいないし、私も妊娠中毒症にはかからずに済んでいる。
どのぐらい問題があるって事なんだろう。
これまで出会った人たちの中で、腎臓に問題がある人は大勢いた。
でも、日常生活に特別に気を付けることはあまりないみたいだった。なんでも食べてたし。
たまたま、状態の軽い人たちだったのかもしれない。
状態の重い人はどのくらい重くなるんだろう。
常時、透析が必要になったり?  赤ん坊のうちから?

どうなっちゃうんだろう・・・・・・と思っているところに夫が帰宅。
今日の検診の結果を話しているのに、なんだか夫は上の空。
何よ、子供のことなのよ、と腹を立てたけれど、
よく見ると夫の顔色が青い。そして変な冷や汗をかいている。
夕食にはまったく手を付けず、椅子に座っているのも辛いと言って横になってしまう。
下痢と吐き気、腹痛もあるという。
こんなになってしまった夫を初めて見た。(高熱が出ていても食事は平らげる人なのだ)

これは普通の状態じゃないのでは・・・と思い、夜間外来の病院を探した。
私がいつも行く産婦人科が入っている病院の、内科部門が開いていた。
タクシーを呼んで、受診。
結局、処方された胃腸薬で落ち着いたので、大したことないのだろうけれど、
あくまで夜間外来の応急処置に過ぎない。

もし夫がとんでもなく難しい病気だったら・・・
サラリーマンとしてやっていけないぐらい難しい病気だったり、最悪、早死にしたら・・・
子供の腎臓がかなり悪い状態で、私が常に家庭内で介護する必要があるほどだったら・・・
この家はどうなっちゃうの?  医療費は? 生活費は?
・・・・などと考えていたら、一睡もできなくなってしまった。

翌日、産婦人科を再受診。
お腹に電極を巻いて、40分間連続で子供の心音をとる検査をした。
そしてもう一度、超音波検査。手足の他、脳や心臓の周りの様子もチェック。
結局、子供はむくんでいるのではなく、ぽっちゃりタイプであろうという診断が付いた。
心音もごく平均的で、特に問題はないとのこと。
夫も普通に仕事し、普通に食べていた。もう一度検査受診したけど、大丈夫そう。
普通に働けて、普通に暮らせる。それだけでいいのだ。
ホッとして、私は午後ずっと眠ってしまった。

週末は市の保健センターが主催する、両親学級へ。
沐浴実習でした。

妊娠34週

産休代替の先生と打ち合わせをし、引き継ぎ資料を渡す。
校内の荷物を片付ける。  本はたくさんあるのだけど、持ち運ぶのが面倒になったのもあって、
「授業資料に使ってください」などと言って、準備室の本棚に置かせてもらう。すみません。

ふう、産休入りだ。
公務員扱いなので、完全に法律通り。産前6週・産後8週。
でも、実際には産前8週ぐらい欲しいかもしれない・・・
妊娠9ヶ月にはいると、急にお腹が大きくなり、
校舎を4階まで一気に上ると動悸が激しくなったり、クラクラしたり。
普通に授業で2時間立ち歩き、調理実習の準備〜実習〜片づけで5〜6時間立ち歩いたら、
お腹がカチカチに張ったり、差し込みのような痛みが走った。
出産経験のある先輩方にお腹を触ってもらったら、「固いわね」とのことでした。


産休一日目。
夫は休みを取ってくれていて、まずは病院主催の母親学級へ。
お産の進み方の説明など。
妊婦も動いた方が良いけれど、
1日1〜2時間程度の散歩と、無理のない範囲の家事が適正量なのだそうです。
1日5〜6時間立ち歩くのは、やりすぎだったらしい。

ここの母親学級を2時間×3回、夫婦揃って受講しないと、立ち会い出産はできないことになっている。
私たちはこれで3回目。あとは、夫が上手く出産日に休めるよう祈るのみ。
子供にはぜひとも、週末に産まれて欲しいものです・・・・

母親学級は完全に「授業」のスタイルで、
「母親学級をきっかけに、地元に友達ができたよ」というのはなかった。
ついつい、母親学級で使われている教材を見ながら、
「ああこれ、わかりやすい。真似して作って、高校生相手にも使えるかも」
なんて考えてしまう。職業病だ。

母親学級が終わったあと、五反田へ。劇団四季のミュージカル、「CATS」を見に行く。
そういえば、電車に乗るのは久しぶり。
立川より「都会」へ行くのも久しぶり。
産まれたら、なかなかこういったところへは行けないだろうし、
かといって、6月に入ったら危険で遠出なんかできない。
今日、ミュージカルに行くのが最後のチャンスだった。
「キャッツ」は子供の頃からやっていて、(夫は高校生のとき、大阪で見ている)
一度見たいと思っていた。

とても凝った舞台。猫の視点で作られている。
ダンスは見事だし、歌は泣ける。
最後の歌は「猫は犬にあらず、猫から人には話しかけないので、まず人から猫にご挨拶を」
というのに笑えた。そう、やっぱり猫は人より高貴なのです。


土曜日、両親がうちに来た。
「キャッツ」の歌ではないけど、両親は実家で「猫様の言いなり」になっている。
父に会ったのは退院以来。
「ベビーカーはレンタルにしようと思って・・・」と言ったら、
父は「ベビーカーは買った方がいい!」と即答。
あれは消耗品だ、うちは子供3人で5台潰した、と。
いくら30年前でも、一体どんな使い方をしていたのか???
・・・・何でも、子供2〜3人いっぺんに乗せていたそうです。幌の上にも乗せる。
重さで車輪がつぶれるし、一番上の子供なんか、何回落ちたかわからないと・・・
「普通、ベビーカーには子供の股を固定するベルトが付いているでしょう?」
「そんなものは使わない!!」
父は非常によく子育てに協力していた人だと思うけれど、
「哺乳瓶の消毒? そんなものやったことないねっ」  だそうです。
まあ、それでも育つのね。

日曜日、またもベビーザラスへ。
子供のものは大体揃っているので、今日はベビーザラス附属の写真館で、
「妊娠中の記念写真」を撮影。
ずっとツワリでふせっていて、写真なんて一枚も撮らなかったから。
撮影スタジオはすごくよくできていて、赤ん坊が泣いてもすぐスタッフがあやしてくれる。
まだ言葉が通じない赤ん坊でも、タンバリンや鈴で注目させて、
視線が定まったところですかさずシャッターを押す。すごい。プロの技だ。

帰りに、自宅近くのフレンチ・レストランへ。
入籍した夜に、記念に行ったお店。
夜のコースはそれなりの値段がするが(ワインもいろいろあるし)
昼のコースはとてもお得。

5年くらい前からフレンチ・レストランとして営業しているけれど、
その前はお蕎麦屋さんだったそうで、
外見にも内装にもその名残が残っている。
室内は和風家具が使われているし、掘り炬燵式になっている。
料理は全部、お箸で食べても良いように、お箸が付いている。
シェフはフレンチの格好をしているけど、和食もできるのかしら。

前菜=鰹・鯛・蛸のマリネサラダ
スープ=ハマグリのコンソメスープ

魚料理(夫のみ)=スズキとジャガイモ、タケノコ、空豆、アスパラガス




肉料理=牛頬肉の煮込み

トロ〜ンと、ものすごく柔らかく煮込んであった。
肉の下には味の染みこんだ大根が・・・
もちろんソースはパンに付けて食べてしまいました。


デザート=盛り合わせと、コーヒー・紅茶。
表面がカリカリにキャラメリゼしてあるパンナコッタ。
カシスのムース。
苺のロールケーキ。
メロン。   にゃー、幸せ。

これだけ充実していて、たった1500円。(夫は一品余計なので2500円)
とてもお得。
へたすれば、ファミレスでも同じ値段を取るだろうし、
都心のスカした店なら「牛頬肉の煮込み」一皿で3〜4000円取るのでは?
子供を連れてこのお店へ来るのはなかなか難しいと思うので、
子供がある程度大きくなるまで、このお店には頑張ってここで営業していて欲しい。

というわけで、週末は「今のうちにやっておきたいこと」をずいぶんやったのだけど、
疲れが出たのか、月曜はツワリが復活して大変。
トイレもさらに近くなった。(一晩に4回は行く)
仰向けに寝ると苦しいし、横向きに寝てもなんかドキドキして寝にくい。
出産まではゆっくり眠って体力温存したいと思うけれど、
これではまるで、夜中に授乳で2時間おきに起きるのを、リハーサルしているみたいだ。