麻酔はちゃんと効きました

おねえちゃんになった日


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今回の手術で一番心配だったのが、

「麻酔は効くのか!?」ということ。

何しろ前回は緊急で、娘も仮死状態になりかけていたので、
麻酔が効いていなくても、とにかく切って取り出さなくてはならなかった。
人間は切腹では死なないんだなあ・・・  とも思ったが、
本当に痛かった。(全く効いてないわけではなかったのだろうが)
手術後数日、フラッシュバックのようなことが起きて眠れなかったり。(これでも、恐怖体験だったのだ)

事前の説明では、メスを入れる前にお腹の皮をつねり、
麻酔が効いているか確かめてから始める・・・  ということになっていた。

手足をしばられ、血圧計が付けられ、酸素マスクを取り付けて・・・・



麻酔の注射は、背骨の間に打つ。
これが痛くて背中を動かしてしまい、何度も打ち直す人がいると事前に聞いた。
前回は陣痛のピーク時に麻酔を打ったので、実は私は、麻酔針が入ったのは全くわからなかった。
そのぐらい、陣痛は痛いのだ。
実際には、麻酔針は痛い。でも想定内の痛みだ。だいたい、私が背中を動かせないように、ナース2人がかりで押さえているし・・・

麻酔針が入って間もなく、下半身に強いしびれが来た。
法事で長時間正座をしていて、立ち上がると脚の感覚がなくなるぐらい、すごいしびれが来る。
自分の足の太さが3倍くらいになったような錯覚があり、
じゅわーっ、じゅわーっ・・・と、しびれが下半身を循環している。
もちろん、自力で脚は動かせない。
その、「法事の後」のもっとすごい感覚というか無感覚がある。

麻酔が効いている!!
麻酔が効くってこういうことなんだ!   前回と全然違うーー!!
お腹の皮をつねるまでもない。

麻酔が効いたということで、私はすっかり安心した。
メスを入れたのも、縫っているのも全くわからなかった。
ただ、途中でちょっと冷や汗が出て来るというか、気持ち悪くなったことはあった。
(吐いてしまう人もいるそうだ)   まあ何とかなった。

切っているのは、おへその下10センチ程度、縦方向なので、
ちょうど子どもの頭が通る分だけ。
でも、子どもの全身は50センチあるので、胃のあたりまできている身体を、
お腹の上からグイグイ押して、押し出すようにして取り出す。
この時も、気持ちが悪くなる。
ナースに「どうですか、気持ち悪くないですか」と聞かれた。
気持ち悪いことは気持ち悪いが、
息子も胎児時代、私のお腹の壁をローラーで押すような、
ぐいーんぐいーんという胎動をよくやっていたので、
それに似ていると思えば我慢できる。



そうこうしているうちに、ドクターが
「おおおおおお〜〜」と驚きの声を上げている。
息子が、大型らしい。
お腹がスッと軽くなった感覚があり、「ホギャー、ホギャー」という声と、
手術に立ち会ってくださった皆さんが「おめでとうございます!」と言ってくださった。

元気な男の子が産まれた。
身長50センチ、体重3172グラム。  出産予定日2週間前にしては、確かに大きい。
というか、頭が大きい。それでドクターが驚いたようだ。

上の写真は、手術室から出てきた息子を、夫が撮影したもの。
手術は予定より早めに始まり、5分ほどで産まれたので、
夫は運ばれてきた赤ちゃんが、我が子だとは一瞬わからなかったそうだ。

ナースによる父親への第一声は、
「息子さんですよ〜」ではなく、
「はい、おちんちんですよ〜」だったそうだ・・・
それにしても「袋」部分が、まるでトマトのように赤くてパンパンにふくれてますね。
別にこれで、異常ではないんですが。
誕生後、数日たったら、普通にしぼんでシワシワになりましたよ。

息子が産まれたあと、私の方はもうしばらく手術室にとどまり、いろいろと処置をする。
お腹を縫ったり(子宮は溶ける糸で縫い、お腹の皮はホチキスで留める)
ストレッチャーに乗り移ったり。
私は胸から下を自力で動かせなくなっていた。
本当に麻酔が効くと、こんなに動かなくなるのだ・・・
自分では感覚のない足を、皆さんが高く持ち上げて移動させているのを、不思議な気持ちで見ていた。

夫は、「今回は、あっさりと産まれてきた」と思っているようですが、
麻酔が効いても、手術はかなり大変なんですよ!!

だって、考えても見てください。
  「内臓まで達する深さで、長さ10センチの大きな切り傷」を 腹部に負うことなんて、
普通の人生なら、あり得ないですよ!?


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