ウィルトン社 どこを切ってもハートケーキ の研究

台所

2010年6月(生後9ヶ月と4歳11ヶ月)

yousight

こんなケーキの型を買ってしまいました。

先日、ウィルトン社 立体クマケーキ型の研究

を書きましたが、同じウィルトン社から出ているものです。
本当の商品名は、 Heart Tasty-Fill Cake Pan Set  といいます。

パッケージ写真の右下にあるように、これは溝の入ったケーキ型2つのセットです。
2台のケーキを焼き、
溝の中にクリームやムースなどのフィリングを詰めて、
くっつけるとハート形が中に見える・・・
という仕組みのようです。


やっぱり説明書は英語とフランス語でした。
英語は単位がメートル法や摂氏ではないので、そちらはフランス語表記(メートル法)を読みました。
しかし・・
英語圏でもフランス語圏でも、材料を「重量」表記するのは一般的ではないのか、
小麦粉も砂糖も「ml」などの「体積」表記で、困りました。
日本は普通、多く使う粉ものは、重量表記ですものね。
このあとの「翻訳」では、いちおう日本流に換算しておきました。

そして気になったこと・・・

(1) 「バニラエクストラ」をよく使っています。

日本では、バニラエクストラが買えるお店はあまり多くないと思います。
普通のスーパーではバニラエッセンスしか置いてないでしょう?

バニラエクストラは、バニラビーンズを強いお酒に漬けて抽出したもので、
バニラエッセンスのように人工香料を混ぜることもなく、加熱しても香りが飛びません。
でもバニラエクストラは、すごく高い。30mlで1500円くらいはします。
ここに書いてあるレシピでは、それを惜しげもなく「7ml」とか「10ml」も使うように指示されています。

私はバニラエクストラを使ったことはないのですが・・・
バニラエッセンス(冷菓用)やバニラオイル(焼菓用)では、ほんの数滴で効果があるものです。
「ml」で計量できるほど使ったら、苦くならないのかな?

(2) サワークリームをたくさん使っています。
サワークリームの使い道といえば、お菓子ならチーズケーキに使うことがあるかな?
程度だと思っていたのですが、(私はほとんど使ったことがありません)
まるで生クリームのようにたくさん使っています。
これも不思議に思った点。

(3) 小麦粉は、「オール・パーパス・フラワー」なるものが指定されています。
以前、料理研究家の飛田和緒さんのエッセイを読んだとき、
「アメリカには “ゴールドメダル” という、お菓子もまんじゅうの皮も、何にでも使える小麦粉が売られている。
 薄力粉と強力粉とベーキングパウダーと重曹、塩があらかじめ混ざっているもので、日本では手に入らないので、
 アメリカに行ったときにまとめ買いしてきた」
というのが書かれていたのを思い出しました。

中力粉に近い性質で、ふるわなくてもダマになりにくく、
アメリカでは家庭でのお菓子作りなどに広く使われているらしいです。
最近は日本でも、都心の輸入食品店に置いていることもあるそうですが、
無理をして手に入れるほどのものでもないので、私は普通の薄力粉を使うことにしました。

(4) ミックス粉を使え、という指示が多いです。
アメリカと日本では売られているものも、分量も違います。
レシピに書かれた「インスタント・バニラプリン・ミックス」って、
日本でいうと?  「プリンエル」のこと?
困ったので、私は、型の容積を量り、それに合わせて材料を用意することにしました。

レシピに書かれた「イエロー・ケーキミックス」って何?
アメリカではよく売れているものらしいです。こっちでは簡単には手に入りません。
ホットケーキミックスとはちょっと違うらしいので、これまた私は型の容積を量り、
ミックスではなく普通に材料を用意することにしました。



とりあえず、私の怪しい翻訳です。


使用法

1.ケーキを焼いて10分冷まし、型から外して完全に冷ましてください。
2.穴の部分に詰めてください。
3.上部を下部に手早く重ねてください。ハートの下部分がケーキの下部になるわけです。2つ分のケーキの高さになります。
4.上面や側面にデコレーションし、切り分けてお楽しみください。

お手入れ方法
食器洗い機OKです。でも、湯で手洗いが望ましい。
すすいでからタオルで拭き取ってください。
クレンザーや金属ヘラ、スチールウールの使用は避けてください。
食品によっては金属を炒め、性能を落とします。

レシピ1
 バナナクリームケーキ

<ケーキ生地>
 小麦粉  560ml (300gくらい)
 ベーキングパウダー 小さじ1
 塩 小さじ1/4
 室温に戻したバター 180ml (145gくらい)
 砂糖  375ml (250gくらい)
 玉子  3個
 バニラエクストラ  7ml
 つぶしバナナ  180ml (2本くらい)
 サワークリーム 180ml 

<フィリング>
 インスタントプリンミックス  96g
 牛乳   180ml

<デコレーション>
 フローズンホイップトッピング  360g     (絞り袋に入ったホイップクリームが冷凍されたもの。日本のスーパーではあまり見かけない)
 グラハムクラッカーを砕いたもの  125ml
 ドライバナナチップス  適宜

<作り方> 8〜10切れ分

 1.オーブンを180℃に予熱し、型には植物油をスプレーしておきます。
 2.中型ボウルに小麦粉・ベーキングパウダー・塩を合わせておきます。
 3.大型ボウルにバターと砂糖をハンドミキサーの中速でふんわりと練り混ぜます。
 4.玉子を1つずつ加え、そのたびによく混ぜます。
 5.小型ボウルにバニラ・バナナ・サワークリームを合わせます。
 6.全ての材料を合わせて、型に入れます。
 7.30〜35分焼き、串を刺して何も付いてこなければ焼き上がりです。
 8.型に入れたまま網の上で10分ほど置き、型から外して完全に冷ましてください。

 9.中型ボウルにプリンミックスと牛乳を混ぜ、ホイップトッピングを2カップほど混ぜます。
 10.冷めたケーキの穴部分にスプーンで詰めます。
 11.上下のケーキを重ね合わせ、冷やし固めます。
 12.砕いたクラッカーをケーキの側面に付け、バナナチップなどでデコレーションします。


レシピ2 チョコレートガナッシュ・ムースケーキ
 

<ケーキ生地>
 イエロー・ケーキミックス 517g  1箱

<フィリング>
 砕いたセミスイート・チョコレート  226g  (日本で普通に売られている、たとえば明治の板チョコが1枚60g前後)
 フローズンホイップトッピング  340g
 ヘビーホイップクリーム     60ml (乳脂肪分が高い生クリーム)

<作り方 (おおざっぱに)>
 ケーキ生地はミックス粉の説明通りに作り、バナナクリームケーキ同様に焼きます。
 フィリングのチョコレートは電子レンジで溶かし、ホイップしたクリームと混ぜてムース状にします。
 残りのクリームはデコレーションにも使います。


レシピ3 チョコレート・ストロベリー・アイスクリームケーキ

<ケーキ生地>
砕いたブラックチョコ  84g
ココアパウダー     大さじ3
インスタントコーヒー  大さじ1
熱湯     375ml
サワークリーム  180ml
小麦粉   750ml (410gくらい)
ベーキングパウダー 小さじ2
塩   小さじ1/2
戻したバター 145g
ブラウンシュガー 325g   (どうして砂糖を2種類も使うのかな?)
グラニュー糖  82g
玉子  3個
バニラエクストラ  10ml 

<フィリングとアイシング>
戻したストロベリーアイスクリーム 1.65リットル (えっ!?)
フローズンホイップトッピング  340g
いちご 適宜

<作り方>
 1.小型ボウルにて、電子レンジでチョコレートを溶かす。
 2.中型ボウルにて、ココアとコーヒーを熱湯で溶かし、サワークリームと合わせる。
 3.別なボウルに粉類と塩を合わせておく。
 4.大型ボウルにバターと砂糖をハンドミキサーでフワフワに混ぜ、玉子を1つずつ加えてその都度よく混ぜる。
 5.バニラ、チョコレートをよく混ぜ、クリームと粉類も合わせる。
 6.180℃で38〜42分焼き、型のまま10分置いたあと型から外し、充分冷ます。
 7.アイスクリームを柔らかくして穴部分に詰め、30分ほど冷凍庫で冷やし固める。
 8.ホイップクリームやいちごで飾り、冷凍保存しておく。
 9.切り分ける10分くらい前から、室温に置いておきましょう。


レシピ4 レッドラズベリー・ベルベットケーキ

めんどくさくなったので、翻訳しませんでした。
「レッドベルベット・ケーキミックス」なるもの(真っ赤なケーキになるらしい。日本では買えません)
を使ってケーキを焼き、
生クリームとラズベリーピューレを合わせたものをフィリングにし、
ホワイトチョコを混ぜたバタークリームでデコレーションするようです。



では、私が実際に作ったもの・・・

これが箱です。
この写真は、
レシピ2 チョコレート・ストロベリー・アイスクリームケーキ  です。

実際のところ、普通のホールケーキよりも高さがありますので、
こんなに大きいケーキを入れるスペースが冷凍庫にあるか!?

いや、ありません。
ミックス粉もありません。

というわけで、
レシピ1 バナナクリームケーキ  のレシピを参考にしました。
この配合は、マフィンのレシピに近いと思いました。
私はバナナやサワークリームは使わず、牛乳を使います。

私が普段作るマフィンの配合はこんな感じ。

 バター  1
 玉子   1
 砂糖   1.4
 小麦粉  2.4 
 ベーキングパウダー 0.04
 牛乳   1.1

玉子を50gとして割り出すと、400ml程度の生地ができ、
マフィン6個ぐらいになります。

それでは、このケーキ型ではどういう分量になるのでしょう。
水を入れて計ってみるのが簡単そうです。
計算で出すのは無理だ。
ハート型の下半分用。

ケーキ生地の容積は1150ml。
逆さにして、穴部分にも水を入れて計りました。

フィリングの容積は500ml。
ハート型の上半分用。

ケーキ生地は1000ml。  (上46:下54の割合)
フィリングは400ml。

ケーキは焼くとふくらみますから、
正直に1000〜1250ml用意しなくても、その80%程度あればいいかな?

フィリングは少ないと、上下の型を合体させたときに隙間ができてしまうので、
表面張力ギリギリまで詰める必要があると思いました。

ムース状のフィリングを考えていますが、
するとケーキがスポンジケーキのようにフワフワ軽いと、
ムースの重みに耐えられずに、ケーキがつぶれてしまうかな?

というわけで、やはりマフィンの配合に準じることにしました。
スポンジよりはだいぶギッシリした生地になります。

ところで、私が普段使っているホールケーキの型は2リットル入ります。
この「どこを切ってもハートケーキ」の型だと、
ケーキ生地+フィリングで、3リットル超!?   すごいボリュームになりそう・・・・

今回の決定レシピ(マフィン配合)

<ケーキ生地>

ハートの上半分 ハートの下半分
バター   70g    80g
砂糖  100g   110g
玉子   70g    80g
小麦粉  165g   195g
牛乳   75ml    90ml
ベーキングパウダー    5g     7g

<フィリング>
ゼリエース  1箱
熱湯      200ml
生クリーム  400ml+砂糖20g
刻んだいちご 6個くらい


<デコレーション>
生クリーム  200ml+砂糖15g
半割のいちご 6個くらい   

生地は、バターと砂糖練り混ぜ→玉子混ぜ→粉類と牛乳を交互に混ぜ

で、できあがりです。
型に詰めて、
180℃で30分ほど焼き、
型に入れたまま10分置いてから取り出し、冷まします。
この「穴」というか「へこみ」部分にフィリングを詰めることになります。
こっちはハートの下部分。

あれっ、焼き色がおかしい・・・?
何か固い・・・?


あーーーーーーー
ベーキングパウダーを入れるのを忘れてた〜〜

私のオーブンはケーキ2台をまとめて焼くことはできないので、
上用の生地を作ったら焼き、下用の生地を作ったら焼き・・・と2回に分けたのです。
いっぺんに生地を作って、2回に分けて焼くと、
待っている間に生地の状態が変わってしまいますからね。

でも、下用の生地を作っている途中で赤ん坊が泣いたり、上の子に別室から呼ばれたりしたら、
忘れちゃったのです・・・
まあいいや。仕方ない。
泡立てたホイップクリームと、熱湯で溶かしたゼリエースを合わせ、
刻んだいちごも合わせます。
これをフィリングとして詰め、冷蔵庫で冷やし固めます。

実はこのフィリング、300mlほど余る(小さいカップデザートにしました)ので、
生クリームは200mlでもフィリング量には足りたのかもしれないですが、
生クリームとゼリエースが同量だと、
あの独特の「かき氷シロップみたいな味」が目立ってしまうのです。
生クリームを倍量にすると、おいしいムースになります。
冷蔵庫でムース部分が固まったら、上下を重ね合わせます。
ホイップクリームや色粉糖、いちごで飾ります。
切り分けたところ。
ハートが見えると言えば言えますが、
ケーキの境目もはっきり見える。

ケーキが焼けた時点で、上部の焼き色が付いたところを削り落とすべきだったのかな?
ちょっと離れると、切り口はこんな感じ。

ハートに見える?  見えるって言って〜〜


ちなみに、ベーキングパウダーを入れ忘れたケーキは、クッキーそっくりでした。
そして、この形なのに食感がマフィンというのは、やはり違和感がありました。
次回は、スポンジの配合で作った方がいい?
でもとにかく大きすぎるので、ハートの部分だけ作って、
ハート型のケーキとかムースにしちゃった方が楽しいかな?